COLUMN
コラム
2024.08.24
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キッチンリフォームを考えるとき、多くの方が悩むポイントの一つに「吊戸(つりど)」の有無があります。吊戸は収納力を増やすための便利な設備ですが、最近ではオープンカフェのような開放的なデザインがトレンドとなり、あえて吊戸を設けない選択をする方も増えています。
今回は、リフォームのプロの視点から、吊戸の必要性について考え、あなたにぴったりのキッチンを見つけるためのヒントをご紹介します。
まず、吊戸を設置するメリットについて見ていきましょう。
1.収納力
吊戸の最大のメリットは、やはりその収納力です。キッチンは調理器具や食器、調味料など、たくさんのアイテムを収納しなければならないスペースです。特に日本の住宅事情では、キッチンの広さに限りがあるため、収納スペースを確保することは重要です。吊戸があれば、限られた空間を有効活用し、必要なアイテムを整理整頓しやすくなります。
2.動線の確保
吊戸を設置することで、キッチンの作業スペースを広く保つことができます。調理中に頻繁に使うアイテムを手近に収納できるため、効率的な動線を確保しやすくなるでしょう。
3.生活感を抑える
季節ものやタッパーのストックなどが見えてしまうと、生活感を感じますよね。吊戸は扉がついているため、生活感を感じるものや出番が少ない季節ものを隠しておくことができます。
一方で、吊戸をあえて設けない選択肢もあります。近年、開放感を重視したキッチンデザインが人気を集めており、吊戸を取り払うことで、より広々とした空間を演出することができます。
1.開放的な空間づくり
吊戸をなくすことで、キッチンがぐっと広く見えます。オープンの対面キッチンでは特に開放感が重要です。吊戸がないことで視線が遮られず、リビングやダイニングと一体感のある空間を実現することができます。
2.デザイン性
吊戸なしのキッチンは、シンプルでミニマルなデザインを好む方に最適です。キッチン全体をすっきりとさせることで、素材や色のコントラストが際立ち、美しい仕上がりになります。特にモダンなデザインや、ナチュラルな素材を活かしたキッチンでは、吊戸を排除することで、素材本来の美しさを引き立てることができます。
3.家族とのコミュニケーションが円滑に
吊戸がないキッチンでは、調理中も家族やゲストとのコミュニケーションがスムーズに行えます。特にオープンキッチンでは、視線を遮るものがないため、会話を楽しみながら調理ができ、食事の準備が一層楽しくなるでしょう。また、吊戸をなくすことで、キッチン全体がリビングやダイニングに自然に溶け込み、家族が集まりやすい空間が生まれます。
キッチンリフォームで吊戸を設置するかどうかを決める際には、いくつかのポイントを考慮することが重要です。
1.ライフスタイルに合わせた選択
キッチンの使い方や家族構成、収納のニーズによって、吊戸の有無を決めると良いでしょう。例えば、人を招くことが好きで行事ごとに料理を振る舞ったり、大勢が集まる機会が多い場合は、吊戸を設置して収納力を確保することをおすすめします。一方で、頻繁にキッチンを使用しない家庭や、ミニマルな生活を目指している方には、吊戸なしのスッキリしたデザインが適しているかもしれません。後述するキッチンスペースの広さやレイアウトを工夫することで、来客が多くてもすっきりと吊戸をなくすこともできますのでご安心を。
2.キッチンの広さとレイアウト
キッチンの広さやレイアウトも、吊戸を設置するかどうかの判断材料となります。狭いキッチンで収納スペースが不足している場合は、吊戸が有効です。しかし、広々としたオープンキッチンでは、吊戸を設けなくても十分な収納スペースを確保できることが多いため、吊戸なしのデザインも検討してみる価値があります。キッチンの横にパントリースペースを別途設けることで、キッチンスペースは極力物を置かない。といった選択肢もあります。リフォームの腕の見せ所ですね。
3.ご予算とのバランス
吊戸の有無は、リフォームの予算にも影響します。吊戸を設置する場合、その分の費用が追加されますが、収納力やデザインのバランスを考えると、コストパフォーマンスが高い選択肢となることもあります。一方で、吊戸をなくすことで、予算を他の部分に回して、収納力をカバーするといった手段もありますので、プロに相談しながら検討していくことをおすすめします。
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壁付キッチンに吊戸を組み合わせた一般的によく見られるシンプルなキッチン。生活感を出さないようにダイニング側からキッチンの背面収納が見えないように工夫して設計しています。
リビング空間をブルーのクロスとイエローのキッチンで色を入れて楽しんでいるこちらのお住まい。インパクトのある色で吊戸も含めてコーディネートしています。こういった派手な色使いをした場合、吊戸を無くしてしまうと、バランスがとれなくなってしまいます。ダイニングチェアーで黄色を拾うおしゃれセンスが光ります。
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対面キッチンでリビング側に吊戸があるパターンは珍しいかもしれません。こちらはコの字型の対面キッチンです。キッチンスペースが広く、ご夫婦揃ってキッチンに立つことも多いことから、しっかりと吊戸を設けています。大容量の収納が魅力的です。
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対面キッチンでリビング側に吊戸代わりにオープンシェルフをつけると、飾りつつ収納の役割を持たすことができます。収納量は少ないですが、コップやおしゃれな食器、ダッチオーブンなどを置く方が多いです。
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こちらもオープンシェルフを吊戸のように使ったお住まいです。観葉植物なども飾って楽しみつつ、ちょっとしまいつつ、といった使い方には最適です。
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思い切って壁付キッチンで吊戸をなくしたこちらのお住まいは、おしゃれな調理器具を飾ることを楽しみたいお施主様と一緒になって悩んだ末に辿り着いた形でした。
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対面キッチンで吊戸をなくし、素材の魅力を最大限活かしたこちらのお住まい。木の風合いを活かした空間づくりをしていく中で、吊戸の存在は邪魔になってしまうため、シンプルな棚のみにすることで収納力を割り切りすっきりとさせています。
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対面キッチンで吊戸を設けず(壁側には付いています)、家族とのコミュニケーションを楽しむこちらのお住まい。開放的なリビング空間に憧れ、キッチンは対面式を採用されています。天井のライティングレールには植物をハンギングして、ちょっとしたアクセントにしています。
▽この事例のおしゃれなキッチンをルームツアーでご紹介しています。
いかがでしたでしょうか?
キッチンリフォームにおける吊戸の有無は、デザインや機能性に大きく影響する要素です。収納力を重視するなら吊戸を設置するのが適切ですが、開放感やデザイン性を重視するなら吊戸をなくす選択もあります。
どちらが最適かは、あなたのライフスタイルやキッチンのレイアウトによって異なりますので、今回のコラムを参考にしながら、最適なプランを検討してみてください。
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