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2020.07.19

戸建住宅の断熱フルリノベ事例のお話(2)

戸建住宅の断熱フルリノベ事例のお話(2)

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最近築40年の都内の戸建住宅のI様邸の断熱フルリノベが竣工しました。この断熱フルリノベについて「戸建住宅の断熱フルリノベ事例のお話(1)」の続きをお届けします。

ZEH基準を上回る断熱性能

今回のリノベ工事に際し、断熱仕様を決める際に、断熱性能の指標であるUA値を計算し、また光熱費のシミュレーションも行っています。UA値は、0.58と築40年の住宅の断熱リノベとしては、かなりの高断熱性能を確保しています。

東京や横浜地域の省エネ基準では、UA値は0.87(値が小さいほど高断熱)です。また、国が推進している省エネ住宅であるZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)の基準は0.6です。

つまり、一般的な新築住宅よりもはるかに高断熱住宅に生まれ変わったということになります。

気密測定も実施

また、A様がこだわった気密性能についても、竣工前に気密測定を実施しています。現在の国の省エネ基準には、気密性能に関する基準はありませんので、新築住宅でもほとんどの住宅会社は気密測定を行っていません。断熱材はそれなりに厚くして、高断熱住宅を謳う新築住宅は増えています。でも、その実態は、気密性能を確保していない、隙間だらけの家がほとんどなんです。

実際に、大手ハウスメーカーで、「ZEH仕様の断熱性能の家なので暖かいですよ。」と言われて建てたものの、すきま風がひどくて寒いというクレームはよく耳にします。

本来、断熱性能と気密性能はセットで考えるべきなのですが、我が国のほとんどの住宅会社は、気密性能については対応できていないのが実情です。

まして、築40年の住宅の断熱フルリノベで、気密性能を確保して、気密測定を実施するケースは、まだまだかなり稀だと思います。ですから、契約時に気密測定の実施を約束し、目標のC値を明言できるリフォーム会社を探し出すのは大変なことだと思います。

気密測定の結果、目標としていたC値1.0以下は残念ながら達成できなかったそうですが、一般的な新築住宅よりもはるかに高気密であるC値1.7を確保できているそうです。

写真は、気密測定を行っているところです。

床暖房は確かに不要だった

A様としては、いくら高気密・高断熱化するとはいえ、床暖房を設置した方が快適な暮らしができるだろうと思っていたそうです。

床暖房の設置について、私も計画時に相談を受けました。その際には、魔法瓶のような断熱気密性能を確保すれば床暖房は不要であり、この性能であれば、床暖房はなくても十分快適に暮らせるだろうということをお話ししました。また床暖房を設置する予算があるのであれば、窓の性能をその分引き上げた方がいいと思うとアドバイスしたことをおぼえています。リフォーム会社の担当者も同意見で、床暖房は不要だろうと言っていたそうです。

A様は、予算にも限りがあったので、半信半疑で床暖房の設置を見送ったそうですが、結果としては、床暖房など無くても十分に暖かい暮らしができていると満足そうでした。

防蟻処理(シロアリ対策)は、ホウ酸処理で

A様ご夫妻としては、今回のフルリノベで、この家を終の棲家にできるようにとの思いがあり、性能にこだわったそうです。

そのため、耐震性能にもこだわり、十分な耐震補強を行っています。ただ、その耐震性能をずっと維持していくためには、防蟻処理(シロアリ対策)が重要になります。

別な機会に詳しくご説明したいと思いますが、我が国の木造住宅の防蟻処理は、ネオニコチノイド系の農薬の一種を防蟻材として使用する処理方法が一般的です。ちなみにネオニコチノイドは、ミツバチの大量死につながっているとも言われており、EUでは禁止されている農薬です。

日本では、なぜ、このネオニコチノイド系を防蟻処理剤として使用することが一般的なのかというと、農薬の一種なので、5年で防蟻効果が無くなってしまうからなんです。つまり、5年に1回防蟻の再処理が必要になるため、5年ごとに確実な売り上げが見込めるという住宅業界にとっては、いわゆるチャリンチャリンビジネスなんですね。日本の住宅業界の歪んだ一面が、ここに表れていると個人的には考えています。

今回のA様邸では、防蟻処理は、ホウ酸で対応しています。ホウ酸は、農薬ではなく、人体に無害である上に、防蟻効果は半永久的に持続します。住宅会社にとってはおいしくない方法ではあるのですが、居住者にとっては、5年ごとの再処理費用も不要なので、住まいのランニングコストの低減にもつながる方法なので、お薦めです。

意外に便利な電動シャッター

A様ご夫妻が設置してよかったと喜んでいたのは、電動シャッターです。庭側の大きな窓は、蚊が出る季節になると、以前は、雨戸を閉める際に蚊が家の中に入ってきてしまい、困っていたそうです。

それで電動シャッターを選んだそうですが、これは選んでよかったととても満足そうでした。

電動にすることで、窓を開けないのですむというメリットが意外なところあるのを私も今回初めて知りました。

思い出の床の間や欄間で以前の住まいの記憶を残す

今回のフルリノベで、間取りや内装が一新されましたが、奥様やおばあさまがこだわったのは、リフォーム前のお住まいの床の間と欄間を残すことだったそうです。

一新された住まいに、古い床の間や欄間を残すのは、デザイン的に少し難しい気がしますが、奥様がこだわった「和モダン」をテーマにしたデザインによくフィットした素敵な空間になっていました。

以前のお住まいの記憶をこのような形で残せるのもフルリノベの魅力ですね。

新築するよりもはるかにリーズナブルにより高性能な住まいを実現

今回のA様邸は、一般的な新築住宅よりも断熱・気密性能をはじめとして、かなりの高性能な住まいを実現しています。でも、費用面では、建て替えることに比べれば、かなりリーズナブルに実現できています。

国は、既存住宅の流通活性化を押し進めていますが、その際には、併せて既存住宅の性能を十分に高めていくことが必要だと思います。

住んでいたご自宅をフルリノベするケースはどんどん増えていくと思いますが、それ以上に、中古住宅を購入して、フルリノベを行うケースも増えています。

その際、ぜひ、普通の新築住宅以上の断熱・気密性能を確保して、快適な暮らしを実現していただければと思います。疑問点や相談点があれば、どんなことでもお応えできるリフォーム専業35年の弊社へ、住まいづくりの選択肢の一つとして、ぜひご相談ください!

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