COLUMN
コラム
2023.02.25
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令和4年度補正予算案において、かつてない大規模な窓リフォーム補助金の提案がなされました。
なぜ、窓が注目されているのでしょうか?
住宅において、窓は最も熱の出入りが多い箇所です。窓の断熱性能を高めることで、室内の冷気や暖気を逃がさず、エアコンの稼働を抑えることができます。高効率なエアコンや床暖房を検討する前に、まずは熱の出入り口である窓を断熱化しないと省エネ効果は少なく、お部屋は寒いままです。
画像引用元:LIXIL 「はじめての窓 選び方ガイドブック」カタログ
窓の断熱性能を高めることで、冷暖房機器の稼働を抑え、省エネ効果を高めることができます。窓リフォームの工法にもよりますが、年間 2 万円ほどの節電効果が見込めます。
内窓の節電効果
画像引用元:LIXIL WEB サイト
窓のカバー工法の断熱効果
(10年間の暖房費比較)
画像引用元:YKK AP 「マドリモ断熱窓」カタログ
令和4年度補正予算で可決された「住宅省エネ2023 キャンペーン」は、「こどもエコすまい支援事業」 、「先進的窓リノベ事業」、「給湯省エネ事業」の3本立ての補助事業です。このうち「先進的窓リノベ事業」は窓の断熱リフォームのみを対象とし、 1,ooo 億円の予算が組まれています。過去にも「住宅エコポイント」など窓の断熱リフォームが対象になった補助事業はありますが、予算規模、補助額ともに過去最大のものとなっています。なお、住宅エコポイントの系譜である「こどもエコすまい支援事業」では、窓だけでなく、ドアや省エネ設備も対象となっています。補助額は「先進的窓リノベ事業」の方が大きくなります。
では実際にどのくらい補助が出るのでしょうか?
マンションで全部屋の窓リフォームをした場合のシミュレーションはこちらです。
内窓は、製品定価のおよそ50% が補助されることとなります。マンションの窓リフォームは、ガラス交換やカバー工法による改修は「共有部」の改修となるため、管理組合への確認が必要です。
戸建住宅の1階で窓と玄関ドアをリフォームした場合のシミュレーションはこちらです。
工事の種類によって対象となる補助事業が異なります。内窓の設置は「こどもエコすまい支援事業」でも対象となりますが、内窓のガラスを Low E 複層ガラスにすることで「先進的窓リノベ事業」の対象となり、より大きい補助額となります。ガラス交換は既存の窓がアルミサッシの場合は「先進的窓リノベ事業」の要件に満たないため、「こどもエコすまい支援事業」での申請となります。
今ある窓の内側に取り付ける内窓は、最も一般的な窓リフォーム工法です。費用対効果が高く、断熱性能だけでなく防音性能も高めることができます。内窓に入れるガラスは選ぶことができますが、おすすめは「 Low E 複層ガラス」です。ガラスの内側の Low E 膜により断熱性能を高め、太陽の日差しを和らげることもできます。
LowE 複層ガラスの内窓は、補助額の大きい「先進的窓リノベ事業」 A グレード(条件によってはSグレード)の対象となります。 Low E 膜のないペアガラス(一般複層ガラス)は「こどもエコすまい支援事業」の対象となりますが、補助額が4~6割ほど下がります。製品差額よりも補助額の差額の方が大きくなりますので、この機会に、より高性能なガラスを採用されるのがおすすめです。
※既存の窓がペアガラスや網入りガラスの場合は、既存の窓と内窓の間の熱ごもりによってガラスの熱割れ危険がありますので、ご注意ください。
画像引用元:LIXIL 「インプラス」カタログ
内窓は費用対効果は高いのですが、二度開けるのが手間であることや、室内側に窓を取り付けることで空間が狭く感じられるのがデメリットです。その点、今ある窓を枠だけ残したまま、新しい窓を被せる「カバー工法」は、窓自体を新しくリニューアルすることができます。この工法はメーカーの開発が進んでおり、より高性能な製品が出そろってきました。
今回おすすめするのは「樹脂窓+Low E 複層ガラス・ガス入り」の組み合わせです。先進的窓リノベ事業」 A グレード(条件によってはSグレード)の対象となります。樹脂はアルミの 1,400 倍熱を伝えにくいため、結露を防ぐだけでなく、窓フレームのヒンヤリ感を抑え、室内を快適に保ってくれます。高価格帯の製品ですが、補助事業を使うことでお得にリフォームすることができます。
アルミ窓と樹脂窓のサーモグラフィー比較
画像引用元:YKK AP 「マドリモ断熱窓」カタログ
冬の寒さ、窓フレームの結露、電気代の高騰にお悩みの方は、今回の補助事業を活用した窓の断熱リフォームがおすすめです。より高性能な窓を上手に選び、健康にもお財布にもやさしい暮らしを手に入れましょう。