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実話から生まれたホームテックのポリシー

住まいに和のテイストを

住まいに和のテイストを

 「畳と襖を新しくしたいんです」
 まだ私が入社して1年も経たない頃。築35年ほどのマンションに住む、50代のご夫婦が相談に来られた。息子さんも一緒に住まれており、現在は3人暮らし。3LDKの間取りに含まれる和室を、より良くしたいとのご相談だった。
 「ちょうどご近所さんが、襖や畳を新しくしたんです」
 「それでうちも新調しようと思いまして……」
 私自身、和室の工事は初めてだった。それでも、やるべきことはいつもと変わらない。まずはお客さまの声に耳を傾け、どのようなお住まいを実現したいのかをきちんとヒアリングすること。すると、徐々にセカンドスペースとしての和室の姿が浮き彫りになってきた。
 「和室はどのように使われているのですか?」
 「リビングとともに、みんなでゆっくりくつろげる空間です」
 私はお客さまが和室で過ごしている姿を想像した。きっと、リビングとは異なる雰囲気の中で、リラックスしながら素敵な時間を過ごされているのだろう。よくよくお話を聞いてみると、とくにご主人さまが、和のテイストにこだわりをお持ちのようだった。

 「和室には掛け軸も飾ってあるんですよ」
 「それなら、和のテイストを活かした雰囲気がいいかもしれませんね」
 お客さまのお話を踏まえたうえで、どのような住まいが理想なのか、少しずつイメージを固めていった。リラックスできる場所。そして和のテイスト。新しい畳と襖には、それらの要素を盛り込むといいかもしれない。そんなふうに考えを進めていった。
 「お部屋全体で、あざやかな色彩や四季を演出できるといいかもしれないですね」
 「ああ、それはいいですね!」
 和のテイストを大切にしつつ、現在よりもさらにあざやかな印象へと変えていく。そうすることで、リラックスしながらもワクワクできるような、そんな空間を実現できるはず。提案を重ねていくと、お客さまはとても喜んでくれた。
 「襖には藤や桜の柄を入れたいね」
 「赤富士を入れるのもいいかもなぁ」
 お打ち合わせの中で、少しずつ具体的なアイデアが固まっていく。楽しそうに話すお客さまの姿を見て、私も新しい和室の印象がクリアになっていった。最終形は、まさに和風の美を体現するようなお部屋だった。
 「なかなか大変そうだけど実現できますか?」
 「はい。お任せください!」
 実際に工事が始まると、一度、畳と襖をお預かりした。そこからご依頼の内容を踏まえて、新しいものに交換したり、装飾を加えたりする。1週間ほどの期間を経て、とくに襖は、これまでとはガラリと印象が変わるものになった。新しい畳も気持ちがいい。
 それらを元の和室に設置する。すると、落ち着いたリビングとは対象的に、とてもインパクトのある新しい部屋になった。何より、お客さまのこだわりポイントである和の雰囲気が、全面に打ち出されている。ただ新しいだけのお部屋ではない。
 私が感じた印象は、お客さまにとっても同じものだったようだ。

 「なんだか見違えるように変わりましたね!」
 「とてもキレイになって嬉しいです!」
 そしてご主人さまからは、忘れられない言葉もいただいた。
 「夢が叶いました」
 もともとご主人さまの夢は、お家に浮世絵や掛け軸を飾ること。これまでも小物を置くなどして雰囲気を醸成させてきたのだが、部屋全体の印象を変えることはできていなかった。それが今回のリフォームによって、実現できたのだ。
 「やっぱり襖の絵がいいね」
 「浮世絵を眺めながら家族で過ごせる時間がくるなんて……」
 和のテイストは、小物だけでなく、お部屋全体で演出するもの。色彩の調和や雰囲気を整えることも欠かせない。だからこそ、畳と襖を刷新することが、よりお客さまのイメージに近づくために必須だったのだ。
 「今は、飾られた絵を眺めながらコーヒーを飲む時間が、至福のひとときです」
 お客さまのご要望は、必ずしも最初から明確であるとは限らない。しかし、丁寧にヒアリングすることで、本当に喜んでいただけるものをつくることはできる。私は、あの日本的な美に囲まれたお部屋とお客さまの言葉を思い出す度に、そう思うのであった。

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