TRUE STORY
実話から生まれたホームテックのポリシー
「水回りのリフォームをお願いします」
お客さまは、複数のクリーニング店を経営する50代のご夫婦。お子さんはすでに独立され、現在は二人で3LDKのマンションに住まれているとのこと。ただ、お話の端々から、お忙しくされていることが伺えた。
「お家でゆっくり過ごせる時間もわずかなのですが……」
それならなお、自宅で過ごす時間をより良いものにしてあげたい。私はそう考え、お客さまのご要望をヒアリングすることにした。まず、変えなければならないのは水回り。とくにお風呂とキッチン、洗面所であった。
「もう20年ぐらい使ってるので、そろそろ交換しようと思いまして」
ただ、そのまま既製品に交換するだけでは、より快適な住まいを実現することはできない。そこで提案したのが、中でも生活の質に直結しやすいお風呂である。ポイントは、お掃除のしやすさとデザイン性であった。
「言われてみると本当にそうですね!」
「もっと楽に使えるようになるなら、どんどんお願いしたいです」
打ち合わせを重ねていく度に、お客さまの要望は明確になっていった。忙しく働いているからこそ、家のことに時間をとられないようにする。そのための工夫を、私なりに考えては、次々に提案していった。
楽に使えるというのは、つまり「時短」である。家事の時短を実現できれば、余った時間で好きなことができる。とくにお客さまは、二人ともテレビを見るのが好きだったので、お風呂にも設置するなども実現した。これも時短の一つである。
またキッチンは、時短という観点から食洗機を導入し、ガスコンロは掃除がしやすく、同時に使いやすい横3列のタイプに。小さな工夫も、日々の積み重ねによって時短効果は大きくなる。
「デザインはこんな感じでお願いします」
内装を含むデザインにこだわりがあったのは奥さまである。具体的なイメージを見せていただき、それに沿うかたちで提案を進めていった。徐々に、二人だけの新しい生活がイメージできるようになってきた。
設備機器はシックになり、壁はコンクリート柄。天井は茶色。全体的にクールな、まさに大人の住まいである。二人だけの空間として、時間があればリラックスできるような、そんな住まいであった。
途中、お客さまがどうしても忙しくなってしまい、夜になってから私がクリーニング店に足を運ぶこともあった。これほど忙しくされているのであれば、ぜひ、リフォームで時短を実現しなければ。
依頼する職人さん、中でもクロスを担当していただく方には、私がこれまでに一緒にお仕事した中で、最も技術が優れていると感じる人にお願いした。そのおかげか、無事に工事が終わり、お引渡しをするとき、お褒めの言葉をいただくことができた。
「お陰さまで思い通りのリフォームができました!」
「とにかく仕上がりが素晴らしく、本当に驚きです!」
毎日のように、朝から晩まで働いているお二人。複数の店舗を運営することは、それだけ大変なことだと思う。それでも、今回のリフォームによって、自宅で過ごす時間が少しでも快適なものになったとしたら……。
リフォームによってさまざまな時短と快適さを実現した新しい住まい。お風呂に入りながら、テレビを見て、束の間の休息を味わっているお二人。精力的に働くための活力を、新しいお家の中で養っていただければ、これほど嬉しいことはない。