COLUMN
コラム
2019.11.30
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「収納力を高めたい」「快適に使える収納が欲しい」とお考えの方から、クローゼットリフォームについてのお問い合わせを多くいただきます。クローゼットには大きく分け、
・壁面収納クローゼット
・ウォークインクローゼット
・ウォークスルークローゼット
の3種類があり、それぞれ異なる特徴やメリット・デメリットがあります。そのため、収納したい物・使用用途・生活スタイルなどによって適切なクローゼットも異なります。
本記事ではそれぞれのクローゼットについて詳しくご説明します。自分たちにとってより使いやすく、希望が叶うクローゼットを実現しましょう。
洋室の壁をそのまま利用する壁面収納クローゼットは、居住空間が若干狭くなるものの、少ない床面積で新設しやすいという魅力があります。内部にハンガーパイプや棚が作りつけられ、奥行は衣類の幅に合わせて50cm~60cmほどの設計が多くなっています。
ハンガーにかけたままの上着を複数枚収納する用途に適しており、下部のスペースに衣装ケースなどを置くことで効率良く整理できます。
ただし、メリットであるコンパクトさはそのままデメリットにもなり、床面積が限られるため、スーツケースや布団などの大きな物の収納には不向きです。
間取り変更を含めた大掛かりなリフォームの際、検討される方が多いのがウォークインクローゼットです。内部の床面積が大きいウォークインクローゼットは、壁面収納では難しいかさばる物の収納も簡単です。
服だけではなく小物や雑貨もまとめて整理しておくことで、出かける準備がクローゼット内だけで済む、一つの部屋の様な考え方の収納だと言えます。人が中に入るため動線の確保が必須となり、床面積あたりの収納効率はやや劣る面もありますが、収納力の高さと使い勝手の良さから人気があります。
最小で1畳半ほどのL字型から作れますが、使用感を考慮すれば2畳以上・二列型からがおすすめです。
収納できるスペースが多いからといって煩雑に詰め込んでしまうと、動線が確保できなくなりウォークインである最大のメリットが失われてしまいます。物の量と定位置をしっかり決め、整理しながら使うようにしましょう。
ウォークインクローゼットの中でも、2つの部屋に隣接し出入り口を2ヶ所設けた通り抜けできるクローゼットをウォークスルークローゼットと呼びます。
動きやすく回遊性が高いのが最大のメリットであり、出入り口に扉を設けない場合がほとんどです。同時に風や光を取り込むことが容易になるため、収納につきものである湿気の心配がありません。海外の住宅ではそれぞれの寝室とリビングの間に、専用のウォークスルークローゼットを配置する間取りが多いです。
敷地面積が少ない日本の住宅では難しいかもしれませんが、玄関からリビングの間に家族全員が共有するファミリークローゼットを配置したり、キッチンから洗面所の間にパントリー(食品庫)として配置するなど、用途に合わせた様々な使い方ができます。
ウォークスルークローゼットは、限られた面積の有効利用として賢い選択である反面、使用頻度が高い生活動線を兼ねるため、収納部分はウォークインクローゼットよりも少なくなります。また、2つの部屋に隣接させる設計が必要なため、間取りの自由度が低くなるというデメリットもあります。
クローゼットの使い勝手に大きな影響をあたえるのが「扉」です。盲点になりがちですが、使い込んでいくうちに不満を感じることが多い部分であるため、クローゼットにおいて扉選びは重要なポイントです。
収納したい物や床面積によって適した扉が異なります。
主流なのは、扉が2枚に折れて開く「折れ戸」タイプです。扉の枠の奥行が少ないという特長があり、収納面積を確保したい壁面収納クローゼットでは折れ戸が使われることが多いです。
開口部が大きく、中に何が入っているのか一目でわかる視認性の良さがメリットである反面、開閉にある程度握力が必要になること、構造の都合で蝶番部分の故障や不具合が比較的多いというデメリットがあります。
スライドして開閉する「引き違い戸」は、扉の前にスペースが必要ないという特長があります。狭い部屋でも家具の配置に制限が少なく、軽い力で開け閉めできるため高齢者や車椅子の方でも使いやすい扉です。
デメリットは開口が全体の半分に限られてしまうことです(三枚扉の場合は2/3)。大きい物の出し入れがしにくいと感じ、折れ戸や開き戸に交換する方も少なくありません。また、枠の奥行に扉の枚数分の厚みが必要になるため、収納面積が10cm以上狭くなってしまいます。
「開き戸」最大の長所は、開くときの音を抑えられることです。寝室に作りつけられることも多いクローゼットにおいて騒音が少ないことは重要です。
ただし、扉の可動域が一番大きく、開閉のために手前のスペースが多く必要で、奥に開くのか手前に開くのかも大きなポイントとなっています。狭い部屋では開き戸の開閉部分に物が置けず、かえって不自由さがでてしまうこともあります。
1つの部屋として考えるウォークインクローゼットの場合、開き戸を選ばれる方も多いですが、壁面収納クローゼットであれば、開口部の大きさや扉の前のスペース確保は折れ戸の方が優れています。強いこだわりがない限りあえて開き戸にする利点は少ないでしょう。
リビングのテレビボードやブックシェルフなど、「見せる収納」も人気です。洋服やカバンをインテリアの一部として見せる、開放感がある空間にする、湿気を抑えることなどを目的に、あえてクローゼットに扉を付けないケースも増えてきています。
しかしウォークインクローゼットなど、一部屋全てを収納にしているクローゼットの扉を無くすことは冷暖房の効率低下につながります。家全体の断熱性能も考慮しながら選ぶ必要があるでしょう。
用途をハッキリさせることがクローゼットづくりの第一歩です。どのタイプのクローゼットを作るのかではなく、何を収納するクローゼットを作りたいのかを考えることで、ご自身に最適なクローゼットを決めましょう。
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