COLUMN
コラム
2020.07.25
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さて、いきなり質問です。
ここに、穴の開いたバケツに水が注がれています。バケツの水位を上げたいのですが、あなたはどうしますか?
住宅も同じです。暖房や冷房した熱を逃がさないような住まいにすることが大切です。バケツの穴に該当するのが、住宅の場合、断熱・気密性能や日射遮蔽・日射取得性能などの躯体の性能にあたります。 せっかく暖房や冷房しても、断熱・気密性能が低い住宅は、バケツの穴から水が流れ出ているように、大切な熱を無駄にしてしまっています。また夏に日射を遮蔽できずに家の中に取り込んでしまい、冷房負荷が大きくなってしまうことや、冬に日射を積極的に取り込むことができない住宅も同様です。 一方、蛇口をさらに開いてもっと水を注ぐのは、例えば太陽光発電で創エネすることにあたります。もちろん省エネや省CO2という観点から見れば有効な手段ではあります。でも予算が限られているのであれば、優先順位を考えることが大切です。まずは、バケツの穴を塞ぐことから考えましょう。
住宅の省エネ性能を向上させるのには、大きく分けると、①躯体性能の向上(断熱・気密性能、日射遮蔽・日射取得)、②設備の省エネ性能向上、③再生可能エネルギー(太陽光発電、太陽熱温水器等)の大きく3つの方法があります。ではなぜ、バケツの穴を塞ぐこと、すなわち断熱・気密性能や日射遮蔽・日射取得性能の向上の優先順位が高いのでしょうか?
右の写真は、日本で一般的に使用されているサッシとドイツの一般的なサッシの断面です。欧州ではトリプルガラスのサッシが一般的です。断面写真を見るだけで、性能の違いは一目瞭然です。日本のものづくりは進んでいるはずなのですが、残念ながらなぜか窓については、日本のマーケットにおいては先進国の中で最も低い性能のものが主流を占めてしまっています。