COLUMN
コラム
2021.04.20
ここまで、事例を交えながら相続や贈与の基本をお伝えしてきました。
おさらいしたい方は下記お読みください!
第1回 リフォームは相続対策になる?
第2回 リフォーム(不動産)と贈与について
第3回 住まいの相続税対策の具体例
第5回 相続税の計算
今回は、相続で争わないための注意点をお伝えします。
相続と言えば、最近は争う族という言葉が一般化しつつあります。
欧米では40%以上の人が遺言を作成するといわれています。一方、日本では統計上10%の人しか遺言を作成していません。
遺言がないと何が起きるのでしょうか?そうです、相続争い(争う族)が起きやすいのです。一方で、遺言があれば争う族は避けられることが多いのです。
どういうことなのでしょうか?
例えば、皆さんのお母さまがお亡くなりになったと仮定します。
ちょうど四十九日を過ぎたあたりから、法要も終わり落ち着きます。そこで亡くなったお母さまの銀行の払い出しや、自宅不動産の名義変更をするために法務局や銀行に行く必要があります。
法務局に行くと、「亡くなったお母さまの遺言ありますか?」と聞かれます。上記の通り遺言を作成している人はたったの10%。当然、皆さんのお母さまは遺言を作成しておりません。
そこで皆さんは『母は遺言を作成しておりません』と言うわけです。すると法務局の人は『それでは名義変更できません。「遺産分割協議書※」を作成してもう一度法務局に来てください。と言われるのです。
※遺産分割協議書とは「相続人間で故人(ここでは母)の財産をどう分けるか」を決めて紙に記し、相続人全員の自署・押印したもの。
そこで皆さんは初めて遺産分割協議書と言うものの存在を知ります。多くは長男や長女など年長者が主導になってとりあえず、遺産分割協議書の案を作ります。そして皆さんが弟や妹に『母さんの遺産分割協議書にハンコ押して』と言ってみたところ、弟や妹がこんなことを言い出すのです。
弟「姉貴が母さんの遺産を半分相続するなんて、オレ納得いかないよ!だって母さんの介護の面倒見たのは俺の妻だよ!そんな遺産分割協議書にはハンコ押さないからね!!」と。
こうして、遺産分割協議書にハンコがそろわないと、お母様の自宅の名義変更もできず、お母さまの預金の払い出しも出来ず、口座はロックされたまま。そしてお母さまの乗っていた愛車も中古車屋に買い取ってもらうことが出来なくなるのです。
これが「争う族」というものです。下手をすると一周忌などの法要も別に行うようなケースも出てくるくらいもめることもあるのです。
一方で、このお母さまが遺言を書いていたらどうなるのでしょうか?法務局に行っても、銀行に行っても、『遺言の内容の通りに名義変更いたしますね』で終わります。(もちろん戸籍謄本などほかに書類は必要ですが)
相続争いは兄弟間で遺産分割に関する話し合いをすることで生じます。遺言があるとその通りに分けざるを得ないので、『原則、兄弟間で遺産を巡って話あう』必要はありません。よって、遺言を作成しましょうと言われているのです。
お母様の遺言があっても相続人の間できちんと合意が取れるのであれば、遺言通りの分割をする必要はないということを付け加えたいと思います。
つまり、改めて相続人の間で『遺産分割協議』を作成することができれば、遺言と異なる内容で分割できるということなのです。