COLUMN
コラム
2019.09.05
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古くなった玄関ドアのリフォームをしたいと思っても、「費用の相場はどれくらいなんだろう?」「後付け感が出ない材質や色の選び方は?」など気になるポイントはたくさんあります。今回はそんな方のために、ドアの種類や価格帯、工法など玄関ドアリフォームについての基礎知識をご説明します。玄関ドアのリフォームに不安や疑問を抱えている方は、ぜひ参考にしてください。
玄関ドアのリフォームで使用されている主な工法は以下の3つです。
・「カバー工法」
旧ドア枠を基礎にして新しいドア枠を被せて施工します。
・「持ち出し工法」
旧ドア枠を基礎にして外側に新しいドア枠を設けます。
・「扉交換方法」
旧ドア枠をそのまま使用し扉本体のみを交換します。
3つの工法ともドア周りの壁を壊すことなく交換できるため、従来の工法と比べて費用と工期を短縮できるというメリットがあります。しかし、「持ち出し工法」は構造上扉本体が外側に出っ張ってしまうこと、「扉交換方法」は旧ドア枠の損耗をカバーできないというデメリットがあります。そのため、見た目の仕上がりが美しい「カバー工法」を使用するのが玄関ドアリフォームの主流になっています。
カバー工法の工事は半日から1日以内で終わり、費用内訳は 「玄関ドアの価格」+「玄関ドアの設置費用」+「玄関ドアの撤去費用」となります。一般的に設置費用は4~6万円、撤去費用は1~2万円ほどで、玄関ドアの価格+5~8万円が費用の相場になります。
ただし、旧ドア枠の上から被せる施工方法のため、どうしても間口が狭くなるというデメリットがあります。幅で約5センチ、高さで約3センチ狭くなり、古いドア枠の場合は下枠にも段差ができる場合があります。車椅子の使用など、間口を目一杯使用している方は、状況に合わせた工法を選びましょう。
次に玄関ドアに使用される材質の種類と特徴を見ていきます。
普段、玄関ドアの材質について気にすることは無いかもしれませんが、材質によって断熱性能には大きな差が出てきます。室内の暖かい空気の40~50%は窓と玄関から失われているというデータが示す通り、玄関ドアは家の断熱性能を高める要でもあります。
玄関ドアに使用される材質は大きく分けて金属製と木製の2種類があり、一般的に木製ドアの方が断熱性能に優れています。金属製のドアでも中に断熱材が入っている製品もあるので、地域の気候に見合う断熱性能で玄関ドアを選びましょう。
耐久性が高く軽い素材であるため、多くのメーカーがアルミ製の玄関ドアを製造しています。デザインの種類も豊富で玄関ドアでは最もポピュラーな材質です。ただしアルミ自体の断熱性能は低いため、断熱材が入ったドアがおすすめです。断熱材の厚さによって性能差が有るので、厳寒地の場合は断熱材のスペックも必ずチェックしましょう。
劣化しにくく加工しやすいため、アルミ同様多くのメーカーが採用している材質です。防火性・遮音性・防犯性に優れた高性能な材質ながら、比較的安価に提供されているのが特徴です。洗練され落ち着いた風合いがあるためリフォームでもよく選ばれています。
他の金属素材同様、耐久性の高い材質です。特に錆に強い特徴から、潮風にさらされる沿岸部でよく使用されています。光沢あり・なしなど表面加工で様々な風合いを作ることができ、都市的なデザインに最もマッチする材質と言われています。
自然素材の暖かみや重厚感を感じる木製ドアは高級感溢れる仕上がりになります。断熱性能が高く、冬場でも結露が発生しにくいという特徴があります。どうしても傷つくことは避けられないので、それもおしゃれの一つと楽しめるかが判断基準となります。
材質や性能のほかに、色選びもこだわりたいポイントです。
玄関ドアだけをリフォームする時に陥りやすい失敗が、玄関ドア単体の色で決めてしまうことです。外観全体とのバランスが悪いと浮いて見え、後付け感が出てしまう原因になります。組み合わせの一例として、白い外壁の時はアイボリー系の玄関ドア、アイボリーの外壁の時は茶色系の玄関ドアなど、外壁よりもやや濃い色目の玄関ドアを選ぶとバランスがとりやすいでしょう。
あえて玄関ドアにアクセントカラーを取り入れたオシャレな住宅もありますが、建築士を交えた注文住宅でない限り、とても難易度が高い組み合わせなのであまりお勧めできません。
また、目立つ色の玄関ドアは「お金がかかってそうな家」という印象を与え、空き巣に狙われやすい傾向があります。防犯の観点からも強いこだわりがない限り、家全体のデザインコンセプトや外壁の色とマッチする玄関ドアを選びましょう。
マンションでは、入居者が勝手に玄関ドアリフォームを行うことはできないのが一般的です。マンションの玄関ドアの場合、通路に面した外側部分は共有部分と扱われるため、外観イメージなど資産価値を守るため変更が制限されています。まずは管理組合や管理会社に玄関ドアのリフォームが可能かどうかを問い合わせ、了解を得ましょう。
また、工事中の音や振動、入口ロビーに出入りする工事業者の存在は、他の住人にとってはストレスになります。本工事を進める際は事前に近隣住民の方々へ説明をし、余計な摩擦を避けるように努めましょう。
玄関ドアは「家の顔」とも言われ、家全体の印象を決めるキーポイントです。また、住み心地を左右する断熱性能に大きく関わる重要なパーツでもあります。工法の種類や費用の相場、材質による性能の違いなど、今回紹介したポイントを参考に玄関ドアのリフォームを検討してみてください。
メーカーなどのショールームでは、多数のメーカーのサンプルをその場で見て触って比較検討ができます。 カタログだけでは分かりづらい実際の色や質感を確かめるために、ぜひショールームへ足を運んでみてはいかがでしょうか。