こんにちは、住宅リフォームのプランナーを20年以上担当している、田畑と申します。
私自身、夫の実家を二世帯リフォームし、義両親と一緒に生活をしている経験から、これから二世帯リフォームを検討している方へ少しでも参考となればと思い、この記事を書いています。
二世帯リフォームを検討される際、費用分担によるコスト面を大きなメリットと感じる人が多いと思います。しかし、検討時にしっかりと二世帯リフォームの相場やどちらの世帯がいくらを負担するのかなどを決めておかないと、後々トラブルにも発展しかねません。
・二世帯リフォームの相場が分からない
・それぞれの世帯がどのくらい負担すべきか分からない
今回はこれらの問題を解決するとともに、実際に二世帯リフォームをされた方の声をご紹介します。納得できる二世帯リフォームを実現するポイントを学び、ぜひご自身の住まいづくりの参考にしてください。
[目次]
1.二世帯リフォームに必要な費用相場について
子世帯の出産や、ゆくゆく必要になる介護などを考えるにあたり、二世帯住宅を検討される方が増えています。
一方で、「二世帯リフォームにどれくらいの費用が必要かよくわからないため、一歩を踏み出せないでいる」というお悩みもよく耳にします。
今回は希望の二世帯リフォームを叶えるために必要な費用や、おおよその相場について説明していきます。
1.1.間取りごとにみる二世帯リフォーム相場
二世帯リフォームではそれぞれの家族ごとに最適なプランを計画していくため、単純な費用比較は難しいものです。
目安として30~40坪の住宅で二世帯リフォームを行った場合、中心価格帯は以下の通りになります。
- 完全同居型:約300万円~
- 部分共有型:約1000~1500万円
- 完全分離型:約2000万円~
間取りプランには、そのぞれの世帯のライフスタイルや、生活へのこだわりが大きく関与します。それぞれが最適な独立度を得られる間取りプランを選択しましょう。
プランについては下記の記事で詳しく解説しています。
1.2.部位別にみる二世帯リフォーム相場
間取りプランのスタイルにより、必要な部屋数や水回り設備が変わってきます。部位ごとの増築リフォーム相場は以下の通りとなります。
部屋の増築リフォーム相場
部屋の増築:約20万円
水回り設備の増築リフォーム相場
システムキッチン増築:約130万円
ユニットバス増築:約150万円
洗面台増築費約50万円
トイレ増築:約40万円
玄関の増築リフォーム相場
玄関ドア:約5~20万円
設置工事:約5万円
玄関内部工事:約10万円
玄関まわり工事:約5万円
両世帯ともに住み良い家を手に入れるためには、それぞれが使いやすい生活動線を実現するのがポイントです。お子様の人数や年齢、親世帯の介護の可能性などを考慮して、プランニングを工夫することも大切になります。
2.二世帯リフォーム実例に学ぶリフォーム費用
実際に二世帯リフォームをされた方の事例を、価格帯に分けてご紹介します。
ご自身が希望される生活スタイルと照らし合わせ、ぜひ参考にしてください。
2.1.二世帯リフォーム 500万円台
親世帯が住む1階はそのままに、2階を子世帯の住居としてリフォーム。
玄関とお風呂は共有する、一部共有型の間取りプランです。
【工期:1ヶ月】
キッチン増設費用:300万円
ダイニング増設費用:200万円
建物工事費用:50万円
合計:550万円
2.2.二世帯リフォーム 1000万円台
既存建物の間取り変更で子供部屋、寝室を造り、リビングを増築。
完全分離型の二世帯住宅へリフォームした例です。
【工期:3ヶ月以上】
キッチン増設費用:70万円
浴室増設費用:120万円
トイレリフォーム費用:30万円
洗面リフォーム費用:40万円
リビング増築費用:240万円
リビング収納設置費用:25万円
部屋改築費用(3部屋):140万円
玄関増築費用:40万円
階段改築費用:25万円
建物工事費用:970万円
合計:1,700万円
2.3.二世帯リフォーム 3000万円台
実家を増築し二世帯住宅へリフォームした例です。
太陽光エネルギーを使うエコキュートや、健康面を考慮した漆喰壁を使用。暮らしやすさへのこだわりを詰め込んだプランとなります。
【工期:3ヶ月以上】
浴室増設費用:100万円
トイレリフォーム費用(2か所):60万円
1階リビング増築・リフォーム費用(床暖房含む):500万円
2階リビング増設費用(キッチン含む):400万円
部屋改築費用(2部屋):200万円
外壁リフォーム費用:250万円
太陽光パネル設置費用(エコキュート):300万円
屋根裏リフォーム費用(ロフト):100万円
建物工事費用:1,190万円
合計:3,100万円
3.二世帯リフォームで理想を叶えるために
二世帯住宅を検討するうえで、「ゆとりある子育て環境を作りたい」「負担が少ない介護を行いたい」など、ご家族ごとに理想の形があるはず。二世帯リフォームで理想を叶えるために、以下2つのポイントを押さえていきましょう。
- まずは予算を明確に
親世帯・子世帯トータルで、どれくらい予算を用意できるのか明確にしましょう。
間取りタイプごとで、最もリフォーム費用が高い傾向にあるのが完全分離型、次に一部共有型、一番費用を抑えられるのが完全同居型となります。
行ってから後悔しないよう、予算と実現可能な間取りをすり合わせ、理想の二世帯リフォームが実現できるかをしっかりと検討しましょう。
- 譲れないポイントを明確に
ストレスのない二世帯生活を行うためには、両世帯で譲れないポイントを出し合い、お互いが納得できることが大切です。それぞれの世帯のライフスタイルや、お互いのプライバシーをどの程度尊重するかを共有していきましょう。
自ずと両世帯に合った間取りプランが見えてくるはずです。水回り設備の増築は必要か、部屋数をどれくらいにするかなど、予算を考えるうえでも重要なポイントになります。後々後悔しないよう、両世帯ともに納得できるプランニングを行いましょう。
建築会社が発信する
リフォームプライスに所属するプランナー田畑がまとめた「二世帯リフォームの専門情報サイト」です。
リフォームの中でも、二世帯住宅に変更する
リフォームは、選択肢も多く悩むことも多いです。
田畑は実家を、二世帯住宅へリフォームした経験から、その大変さや煩雑さを体験しました。
- ・親世帯と子世帯に最適な間取りって?
- ・在宅でもリフォームはできるの?
- ・何から始めればいいの?
- ・将来的な二世帯住宅の活用法はある?
これから二世帯住宅のリフォームを検討される方にとって、参考になれば幸いです。