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2020.4.27

二世帯住宅リフォームを成功させるために確認すべきこと3選

こんにちは、住宅リフォームのプランナーを20年以上担当している、田畑と申します。

私自身、夫の実家を二世帯リフォームし、義両親と一緒に生活をしている経験から、これから二世帯リフォームを検討している方へ少しでも参考となればと思い、この記事を書いています。

実際に二世帯リフォームを検討する際、判断が必要な事が多くあり驚かれるお客様が多いです。ご家族内での話し合いはもちろん、将来的な問題点の共有を住宅リフォームのプロとする必要があります。

・親世帯と子世帯で気を付けるべきポイントに違いはあるのか
・どのように話合いを進めているご家族が多いのか
・二世帯が同居すると将来的にどんな問題点が生じるのか

今回は上記のような疑問にお答えし、二世帯リフォームを成功させるポイントや、世帯間で話し合うべき項目について解説していきます。納得できる二世帯リフォームを実現するポイントを学び、ぜひご自身の住まいづくりの参考にしてください。

1. 二世帯住宅リフォームを成功させるポイント

1.1. 成功の秘訣は「世帯別ヒアリング」にあります!

いま社会的・経済的要因から改めて「二世帯住宅」が見直されています。二世帯住宅にあたり、どちらの実家に入るかで プランも大きく変わってきます。

玄関の数、キッチン・風呂・トイレ等の水廻りは分けるか 電気・水道メーターは分けるか、音の問題対策等、二世帯住宅リフォームは、異なる感覚の世代が一緒に住む上で、些細なことが毎日の暮らしの中で ストレスになります。

そのため、事前に親世帯・子世帯から別々にヒアリング(聞き取り)を行い、 プロの立場からそれぞれの希望をプランに反映させる「世帯別ヒアリング」の実施をおすすめしています。

とはいえ、二世帯リフォームを計画すると、親世帯・子世帯が打合せに同席することが多く「本音を言い出せない…」といったお話も伺います。

そのため、私が工夫していることとしては、ご家族と打合せをしていく中で「もっと話したいことがありそう」という方には個別にお話を伺うようにしています。
皆さんの前では話しにくいことでも、個別にお時間を頂くことで「実は…」と話して下さるお客様もいます。

メールやLINEでのやり取りも簡単に行えますので、リフォーム前の懸念点は全てクリアにしてから取り掛かりましょう。

1.2. 親世帯の安全を考慮する

二世帯とは、ただ親子世帯が一緒に住む、というだけではありません。

親世帯にとって、二世帯で住むということは、今の住まいを「終の棲家(ついのすみか)」として過ごしていく決意の表れです。

子世帯にはわからない悩みや今後起こり得るであろう状況を考えリフォームすることが、何より大事です。

近年問題視されている「ヒートショック」は、窓を取り替えたり、断熱材を設置することで解決が出来ます。

住宅性能を向上させることも視野に入れ、親世帯にとっても、安全で優しいプランであるかを考えましょう。

1.3. 家の中での危険を回避する

年齢を重ねると骨、筋肉などが衰えてきます。すると、すべったり、つまづいたり、転んで骨を折ったり、 といったさまざまな事故にあいやすくなる傾向があります。

ちょっとした段差でも、年配者にとっては非常に危険です。そんな将来の状況を踏まえて、プランニングと工事を行うことが大切です。

私が二世帯リフォームを計画したときには、両親は70歳でした。そのため、将来の状況を考えてバリアフリー化を行いました。また、手摺が必要になった際にいつでも設置できるよう、壁に下地補強をしました。

二世帯リフォームが完成してから数年後に、父が車いす生活になったのですが、バリアフリーにしていたこともあり不便なく生活をすることができました。

トイレやお風呂も車いす対応の広さにすることが可能です。
是非、将来の生活をイメージしながらプランニングをすることをおすすめします。

バリアフリーの洗面室とお風呂

2.二世帯住宅リフォームで検討するべきこと

2.1. 二世帯住宅リフォーム 思いつく疑問点

・手すりはどのような場所に何箇所?
・お風呂場での「温度差があぶない(ヒートショック)」と聞きますがよい対策方法は?
・段差や出入口の作りはどのようにすればよい?
・将来、子供たちに負担がかからないリフォームとは?
・家の外回りで気をつけることは?
・子世帯に頼らず、自分たちでできることは?
・介助用の部材、センス良いものある?

このような疑問点は「福祉住環境コーディネーター」の資格を持つプロに相談しましょう。
福祉住環境コーディネーターとは、高齢者や障害者に対して住みやすい住環境を提案するアドバイザーです。

医療・福祉・建築について体系的で幅広い知識を身につけ、各種の専門職と連携をとりながらクライアントに適切な住宅改修プランを提示し、諸施策情報などについてもアドバイスします。

2030年には65歳以上の高齢者が実に人口の30%を超えると推計されています。(※参照:総務省統計局より)つまり日本人の3人に1人が65歳以上という社会になるのです。

年老いてきた親が誰の手助けも借りずに、いつまでも安全に暮らすことは難しいことです。早いうちから二世帯リフォームを考える事も、家族の安全や安心の一つです。

二世帯リフォームを検討される際には、担当者の資格の有無などを確認してみるのもおすすめです。

3. 二世帯住宅リフォームのメリット
「子世帯」「親世帯」別

3.1. 二世帯住宅リフォームのメリット 「子世帯」

子世帯

・低コストで安定した住まいの確保。
・両親の老後の心配。
・両親に子どもを預かってもらい、共働きができる。
・子どもの躾(しつけ)や教育に世代の違う両親との生活が役に立つ。
・共有して使うスペースの費用や生活費などは
・お互いに負担すると経済的に負担が減る。
・心と時間にゆとりが生まれ、そのゆとりを趣味や外出などにあてることができ、行動範囲も広がる。
・犬や猫などのペットを飼っている場合でも交代で長期の旅行に出かけることができるようになる。
・防犯の面でも安心して外出ができる。
・孫たちは、祖父母から昔の話を活きた知識を吸収できる。
・生活の知恵をすぐ聞ける、 相談できる人がそばにいるという安心感。

3.2. 二世帯住宅リフォームのメリット 「親世帯」

親世帯

・子どもが独立し、夫婦2人では住まいの管理が大変。
・年齢的にローンを組むことが難しい。
・老人世帯を狙った犯罪などへの不安。
・病気や介護への不安。
・共有して使うスペースの費用や生活費などはお互いに負担すると経済的に負担が減る。
・心と時間にゆとりが生まれ、そのゆとりを趣味や外出などにあてることができ、行動範囲も広がる。
・犬や猫などのペットを飼っている場合でも、交代で長期の旅行に出かけることができるようになる。
・防犯の面でも安心して外出ができる。
・若い人々と交流することで、現代の最新情報にふれることができる。
・孫の成長を同じ空間で共有できる。

4.実際に二世帯住宅に住んでいる方からのメッセージ

家事協力

【息子さん世帯との同居】
買い物・炊事・掃除・ゴミ出しなどの家事をはっきりと分けているケースが多いようです。また食事はもちろん、洗濯物の干し方やたたみ方にも違いがあり、気まずい思いをすることもあるためか、お互い家事の頼み事はできるだけしない傾向にあります。

【娘さん世帯との同居】
家事面では、比較的協力することができます。また実の親子であるため家事を頼む傾向が強いです。また、食事を一緒にすることが息子世帯との同居よりも多いです。日中、家に居る時間帯がある場合、それぞれが心地よく過ごせるよう、間取りやスペースに配慮が必要です。

ご主人の気遣い

【息子さん世帯との同居】
今まで別々に暮らしていた家族または個人が一緒に住む上での世代間の価値観の違い、ライフスタイルの違いから、奥様と実の母親との間に立ち、調整役として求められます。

【娘さん世帯との同居】
働きざかりのご主人が夜遅く帰宅する場合、親世帯へ気兼ねして、そっと鍵を開けて入るなど、気を使うことが多いです。また休日やお客様をもてなすときなども、居場所の確保としてご主人の独立したスペースがあるとよいでしょう。

奥様の気遣い

【息子さん世帯との同居】
女性が新たに家族に加わる息子夫婦同居。両世帯の2人の主婦は、1日のうちの長い時間を同じ屋根の下で過ごすため、日常的レベルで文化の違いが生じ、いわゆる嫁姑の問題に発展するケースが少なくありません。そこで快適な息子夫婦同居を実現するための間取りプランのポイントは「家事分離」となります。つまり、1つの家としてのまとまりを尊重しながら、家事面ではお互いの独立を重視します。

【娘さん世帯との同居】
ご主人が奥さまの親御さんと暮らすというのは、実際、家事を実の母娘で供にすることが多く問題は少ないようです。家事や育児なども意見交換が十分行われますが、遠慮がないため親の干渉や娘の甘えが過ぎるデメリットもあります。また男性が担当する行事や地域社会との交流の面では、親世帯主導型になりやすく、子世帯ご主人が加わりにくい側面があります。

4.1.親世帯のポイント

将来を見据えながら、自立できる生活動線がポイントです。

もし介護が必要になったりした場合、自宅での生活を続けるられるようにこの機会に整備しましょう。

外出や入浴、排泄はできるだけ自力でできるようにするポイントがあります。それぞれの家庭に合ったスタイルを見つけましょう。

【トイレリフォームのポイント】
トイレはプライベートな空間なので、まずは1人で楽に利用できる空間に仕上げること、そして介助者も入れるような広いスペースを考慮してもよいでしょう。出入り口は段差がなく巾の広い引き戸にすると、出入りがとてもスムーズです。車椅子の移動を考慮する場合は出入口の位置を便座後方か便座横にすると乗り降りがしやすいです。便器は和式であれば洋式に変更、また便座の高さを補正する器具や、立つ時のために手すりの設置により座るときの負担を減らす事ができます。

トイレットペーパーホルダー、手洗いコーナー、水洗動作の器具を、手を伸ばしたらすぐ届くような場所に設置し無理の無い動作ができるようにしましょう。床材の選び方も大切です。清潔感を重視した素材で、水やアンモニアに強く、濡れても滑りにくい材質のものがたくさん出ていますので、是非ご相談ください。

【浴室リフォームのポイント】
お風呂といえば冬場のヒートショックがあります。高齢者の事故として大変多いため、リフォームの際には浴室暖房機を設置し、体温差や気温差が極力起きないよう、あたたかい浴室づくりをしましょう。

もちろん、出入口の段差はなくし、湯船も入りやすい高さのもの、床材は滑りにくい素材、浴室内の動作を補助するための手すりの設置も重要です。

【玄関リフォームのポイント】
健康な人には何の問題も感じない玄関にある上がり框、この段差は車椅子や、足腰の弱った方にとって非常に不便なポイントです。家のアプローチ部分から、玄関ドアまでの段差までを緩やかなスロープにリフォームすることで、段差による転倒事故や負担を軽減できます。段差の解消で出入りが楽になると、外に出かけることが億劫にならず、とても大切です。

【階段リフォームのポイント】
階段リフォームのポイントは手すりです。足腰が弱くなると、階段の昇り降りはつらいものです。
階段は転倒すると大きな怪我になりかねません。手すりで体を支えることが出来、上り下りが楽になりますし安全です。
手すりをつける際は使用者の体に合わせたちょうどよい高さに設置しましょう。

また、階段が急である場合は、身体への負担や安全性から、できるだけ緩やかな段差にリフォームする必要があります。

【廊下・通路リフォームのポイント】
廊下にも手すりが設置されていると、足腰が弱ってきた時に移動の手助けになります。将来、車イスを使用することを考える場合は、廊下の通路幅は120cm以上が望ましいとされています。

廊下は家を行き来するための重要な通路となるため、配置を変えることで、家の中で動きやすくなりますのでリフォームの際は生活動線を考慮するとよいでしょう。

4.2. 子世帯のポイント

ひとつ屋根の下で暮らす二世帯住宅では、階下への音の響きが気になるもの。

子世帯からの音は、生活時間帯の違う親世帯にとって騒音というストレスにならないようにする必要があります。

遮音素材も今は良いものがたくさんあります。特に床は遮音素材を装備し、子どもたちが元気に遊んでも階下への音の響きを最小限に抑えられるように配慮しましょう。

子供の事を見てもらえるのは二世帯住宅ならではのメリットです。子供が親世帯に行き来できるような動線もとても大切です。孫が行き来できて交流が多いことは、親にとっても大切な事です。

その他、二世帯住宅は親世帯と子世帯で家事を分担したり、お互い助け合う事ができます。家事の分担でいうと、洗濯の動線やキッチンの広さなど、気遣いしなくても気持ちよく助け合えるように、家族構成によって生活動線をよく考えましょう。

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リフォームプライスに所属するプランナー田畑がまとめた「二世帯リフォームの専門情報サイト」です。

リフォームの中でも、二世帯住宅に変更する
リフォームは、選択肢も多く悩むことも多いです。

田畑は実家を、二世帯住宅へリフォームした経験から、その大変さや煩雑さを体験しました。

  • ・親世帯と子世帯に最適な間取りって?
  • ・在宅でもリフォームはできるの?
  • ・何から始めればいいの?
  • ・将来的な二世帯住宅の活用法はある?

これから二世帯住宅のリフォームを検討される方にとって、参考になれば幸いです。