こんにちは、住宅リフォームのプランナーを20年以上担当している、田畑と申します。
私自身、夫の実家を二世帯リフォームし、義両親と一緒に生活をしている経験から、これから二世帯リフォームを検討している方へ少しでも参考となればと思い、この記事を書いています。
二世帯同居を考え始めたと同時に視野に入るのが「二世帯住宅リフォーム」。おそらく一生に一度になるであろう二世帯住宅リフォームは、わからないことばかりで不安ですよね。さらにリフォーム内容で親世帯ともめてしまっては大変。そこで今回は、二世帯リフォームの経験者&プランナーという目線で、二世帯住宅リフォームを円満に進めるポイントを紹介します。
・どのような基準で間取りを決めればいいのか
・間取りの違いによって費用の差はどのくらいなのか
今回は上記のような疑問にお答えし、二世帯リフォームの間取りの種類や、世帯間で話し合うべき項目について解説していきます。納得できる二世帯リフォームを実現するポイントを学び、ぜひご自身の住まいづくりの参考にしてください。
[目次]
1.二世帯住宅リフォームを検討されている方へ
1.1 二世帯住宅リフォーム 検討するタイミング
二世帯住宅を検討するタイミングは人それぞれです。例えば結婚を機に両親の老後を考えた同居であったり、共働きの夫婦が出産のタイミングで「親にも面倒を見てもらえると安心」という理由で実家での同居を検討したりします。
親と一緒に暮らすことで家事や育児の分担、高齢者を狙う犯罪の防止につながるうえ、なによりも家族が近くにいることの安心感が得られます。
しかし二世帯の同居となると間取りの見直しが必要になります。親世帯と子世帯の生活スタイルが異なると、そのままの間取りでは両世帯が不便に感じてストレスを感じてしまうかもしれません。
そこで二世帯住宅リフォームを検討する必要が出てくるのです。
1.2二世帯住宅リフォーム 何に気を付ければ良いの?
同居を機に二世帯住宅リフォームをすることは、親世帯・子世帯ともに快適に生活することにつながります。
子世帯の生活スタイルと親世帯の生活スタイル、また老後のことも考えた設計をすることで、何年経っても住みやすい暮らしを送ることが可能です。
設計においては、奥様のご実家で二世帯リフォームをするのか、旦那様のご実家で二世帯リフォームをするのかで気を付けたいポイントがあります。
まず、奥様のご実家で二世帯リフォームをする際には、いわゆる「嫁、姑問題」の心配は必要ありませんが、旦那様の肩身が狭くなってしまうことが懸念されます。
旦那様も家で「至福の時間」が過ごせるように、趣味のお部屋を検討されたり、おこもり感のある空間を用意することがおすすめです。
次に、旦那様のご実家で二世帯リフォームをする場合です。
こちらは設計前の話し合いのシーンに注目してみましょう。
私が担当させて頂く二世帯リフォームでは、子世帯・親世帯の皆様が同席されて打ち合わせが行われることが多いです。
そのため、「お嫁さんが発言を控えている」と感じることがあります。
そのようなときは後で時間を作り、直接お話を伺ったりしています。
このように、ご家族の誰かが我慢をし、リフォームが完成あとにもめないよう慎重に話し合いを進めていきましょう。
2.二世帯リフォーム 親世帯・子世帯の間取り問題
二世帯住宅リフォームには、寝室以外の全てを共有する「完全共有」、玄関やリビング、水回りなどは共有する「部分共有」、そして世帯間で全く共有しない「完全分離」の3つがあります。
2.1 二世帯リフォーム間取り 「完全共有」
完全共有とは、寝室以外の全てを共有する間取りになります。一世帯で暮らす場合と同じく、間取りを見直して個々の部屋を用意することは可能ですが、それら以外は基本的に全て共有になります。生活スタイルが違う世帯が同居を始めると、暮らす前は気にならないと思っていたことが気になってくることもあります。例えば歯ブラシの置き方や、タオルのしまい方など「まさかそんなことで」と思うようなことがあります。
また、気を付けたいポイントが光熱費の支払いです。
事前にどちらの世帯がどのくらい負担するのかを決めておく必要があります。
完全共有の間取りは、二世帯リフォームで最も費用が抑えられます。
「本当は完全分離が良かったけど、予算が合わないから完全分離にする」といったお客様もいます。
その際には、完全共有でもお互いのプライバシーが守れるような間取りの設計をご提案させて頂きます。
費用の目安:約300万円~
2.2二世帯リフォーム間取り 「部分共有」
部分共有の場合は、希望次第でどの部分を共有するかが変わります。
・お互いに干渉し合わない部分をもちたい
・生活時間帯が異なる
・費用を抑えるために水廻りは共有にしたい
など、部分共有の目的は何パターンもあります。廊下を歩く足音やお風呂場の水音、ドアや窓からの光漏れなど、暮らしてみて初めて分かることもあるため、共有場所と全体の間取りを、なるべく詳細に検討した方が良いと言えます。
一方で、朝の台所からコーヒーを淹れる音が聞こえたり、食べ物のいい香りがすると気持ちが安らぐこともあるように、キッチンやリビングなど家族にとって心地の良い共有は取り入れたいものです。完全共有にも言えることですが、間取りを工夫すれば、快適な暮らしを実現することもできるのです。
費用の目安:約1000~1500万円
3.3二世帯リフォーム間取り 「完全分離」
完全分離は同じ敷地内に家が2軒あるような二世帯住宅のことです。アパートのお隣さんのようなイメージです。玄関前のスペースは共有する場合もあるかもしれませんが、玄関扉からは別々です。
プライバシーは完全に確保することが出来るため、人気な間取りとなります。
ただし、表札やポストを2つ設置したり、電気メーターを2つ用意するなど、各所で費用が2倍必要になります。
また、親世帯はそこまで広い間取りが必要ないといった場合に、子世帯・親世帯の間取りの広さをどの程度にすることが適切か悩まれる方が多いです。
将来的に賃貸併用物件にすることを視野に入れ、リフォームをされる方もいらっしゃいますので、ライフプランを考えながら設計をすることをおすすめします。
費用の目安:約2000万円~
2.4世帯別ヒアリングで理想のリフォームを実現
いかがでしたでしょうか?
気をつけるべき点がたくさんある二世帯住宅リフォームに対して、事前に丁寧なヒアリングを行うことで、理想の二世帯住宅に近づけます。
例えば当初は「部分共有」プランが良いと思っても、ヒアリングでご家族の細かい要望を聞いてみると、実は「完全分離」プランのほうがお互いの希望をかなえられる、ということもあるのです。その結果できた二世帯住宅は、両世帯が心地よく生活でき「リフォームして良かった」と思える場所になるはずです。
建築会社が発信する
リフォームプライスに所属するプランナー田畑がまとめた「二世帯リフォームの専門情報サイト」です。
リフォームの中でも、二世帯住宅に変更する
リフォームは、選択肢も多く悩むことも多いです。
田畑は実家を、二世帯住宅へリフォームした経験から、その大変さや煩雑さを体験しました。
- ・親世帯と子世帯に最適な間取りって?
- ・在宅でもリフォームはできるの?
- ・何から始めればいいの?
- ・将来的な二世帯住宅の活用法はある?
これから二世帯住宅のリフォームを検討される方にとって、参考になれば幸いです。